クリエイター美術家

菅原瑞希さん

緑の多い玉川上水沿いで、アトリエ兼オープンスペースの「カミカワハウス」を運営する菅原さんは、武蔵野美術大学出身のアーティストです。カミカワハウスの壁には、菅原さんがペインティングした絵が一面に描かれており、緑の中で存在感を放っています。オープンスペースは作品を発表するギャラリーとしても活用され、コーヒーを飲みながら作品を鑑賞することができる憩いの場。若い作家さんの背中を押すような活動もされています。

【菅原瑞希さんProfile】
武蔵野美術大学油絵学科版画科卒業。壁面をキャンバスにして思いのままに描くアーティスト。2016年よりアトリエ兼オープンスペースの「カミカワハウス」を運営。築50年ほどの日本家屋を改装し、壁面も自らペインティング。オープンスペースではワークショップや個展など、若手作家や様々な作家の発表の場として活用されている。アトリエ兼オープンスペースの「カミカワハウス」を運営する菅原さんは、武蔵野美術大学出身のアーティストです。


|至極の一言|

常識って人によって違う。それが面白い。

大家さんとKITORIさん、不思議な縁から始まった

崎谷:2021年1月にカミカワハウスがリニューアルされましたが、どういう場所なのでしょうか。

菅原:もともとは築50年ほどの古い一軒家で、大家の神川さんが建物の古さから家族などの居住スペースではなく、アトリエとして使ってくれる人を募集していました。住んでいたところからも近く、アトリエとして借りたいと思ったのが2016年です。

崎谷:さらに2021年にリニューアルを?ご自身で壁に絵を描かれたそうですが。

菅原:そうです。大家さんが自由に使っても良いという考えの方だったので、アトリエとして借りている時から壁には絵を描いていました。その後、老朽化から建物をリニューアルすることになり、その際、私が大体的に壁に絵を描くことになりました。大家さんが立川にある「KITORI」さんというところに改装を頼んだのですが、偶然にもKITORIさんは私の友人だったこともあり、「一緒にやりましょう」と。

崎谷:大きなものに絵を描くのは難しそうですね。構想を練ってから始めるのですか?

菅原:私の場合、構想はなく、壁に向き合ってから始めます。下書きのないことの方が多く、イメージを膨らませて描いていきます。絵も気に入らないこともありますが、ちゃんと収まって描けています。

崎谷:2階がギャラリーになっていて、展覧会をされていますね。前回は洋画家の群馬直美さんの展覧会が開かれていました。次は8月7〜29日まで佐々木克真さんの個展「indigo in カミカワハウス」 が開催されますね。空が綺麗な絵ですが、作家さんとはどのようなご関係で展覧会を開かれることになったのですか?

2階のギャラリーからは玉川上水の緑が一望できる。

菅原:武蔵美の時の同級生です。仙台の方で佐々木美術館という美術館の館長をされている方です。お父さんもお兄さんもご自身も絵描きさんで、お母さんも人形作家。

崎谷: カフェ利用しなくても、ギャラリーを訪れていいのでしょうか?

菅原:もちろんギャラリーだけ見ることもできます。

崎谷: ​​カミカワハウスのギャラリーは時間がゆったりと流れるので、とてものんびりできる空間ですね。建物の中に一歩入ると違う雰囲気で魅力的。さらに部屋ごとに違う雰囲気で不思議です。

英語を話せると自分の選択肢が広がっていく

崎谷:武蔵野美術大学の油絵学科をご卒業されたとのことですが、もともと絵がお好きだったのですか?

菅原:幼稚園の頃から絵を描くのが好きでした。当時はメキシコ絵画の先生に習っていました。学生時代はシルクスクリーンやリトグラフなどもやっていました。それらとは違い、壁に絵を描くのは在庫が残らないからいいです。壁に絵を描くのは楽しくて、車に書いたりなど、そんなことに魅力を感じます。カミカワハウスをオープンさせてからはシャッターに描く仕事も受けました。

崎谷:フランス、スペインやオランダなどにも行かれたようですが、海外がお好きでしょうか。

菅原:大学を卒業してからいろんなところへ行きました。お金を貯めては海外に。子供が生まれてからもエジプトへ出かけたりしていました。海外に行くといろんな空気を感じ、日本が当たり前じゃないと改めて考えさせられます。常識があってないようなもの。コロナの前には、1ヶ月ほどインドに行ってヨガをしてきました。南インドの方だと常識が通じず、それが面白い。小学生の時にはアメリカで暮らした経験があります。帰国後は、靴のまま家に入って怒られたり、お弁当にお菓子とか詰めたら大騒ぎになったり。アメリカだと学校でもアイスクリームを食べたりと自由ですが、日本だとアメひとつで大騒ぎです。

崎谷:オーストラリアのバッセルトンで個展を開催されたとのことですが、海外で個展をされたい気持ちがあったのでしょうか?

菅原:以前、来日した外国人観光客の通訳の仕事をしていた時、美術学校の校長先生をアテンドしたことがありました。仕事終わりに自分の絵を見てもらえないかと個人的に話を持ちかけたところ、あちらのギャラリーで個展をやらせてもらえることになりました。

崎谷:そのようなことも、自分でアピールしたからこそ実現したことだと思います。

武蔵野美術大学の学生を応援するカミカワハウス賞

崎谷:菅原さんはいろんな活動をされながら、アーティストの方にギャラリーを貸し出していらっしゃいますね。

菅原:カミカワハウスは一週間あたり3万円ほどで、割安の賃料だと思います。銀座などで借りるのと比べて10分の1。いろんな方に利用して欲しいです。

崎谷:玉川上水を散歩しながらカミカワハウスまで来られる。周りの環境も大変魅力的です。武蔵美の版画科の作品を対象にカワカミ賞を作られているとも聞きましたが。

菅原:9月、10月と武蔵美の校内で版画コースの展示会があります。それを見に行き、展覧会にどうかなって思った子を選んで、カミカワハウス賞として無料でギャラリー展示が出来るようにしています。今はコロナ禍でお客さんも少ないのですが、ここは地域に目が向いているところで、なおかつ敷居も低い。老人やベビーカーを引いたお母さんなど、いろんな人に、お散歩ついでにでも、訪れて欲しいと思っています。

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