印刷会社の3代目でありながら、動画制作やコンサルティング業など幅広く活躍する水越浩幸さん。視聴者からのコメントを交えて、ゲストと対談をするライブ番組を毎週配信しています。
自身の経験やノウハウを、ライブ配信と動画コンテンツをうまく組み合わせれば、働く時間を半分にして収入は倍増!その仕組みを教えるセミナーや講座を数多く開催し、門下生を数多く排出しています。
|至極の一言|
認知してもらうのはすごく大事。知ってもらうことが安心の土台になるんです。
原点は8ミリフィルム
崎谷:水越先生の講座のおかげで私はたまCHを配信できるようなりましたが、先生自身が動画をはじめるきっかけはなんですか?
水越:高校の頃に撮っていた8ミリフィルムですね。友達とショートムービーを撮ったりして、ワイワイやるのが楽しかったです。
あの頃はフィルムだったから、現像しないとどんなものかわからなかった。現像してみたら、全然映っていないなんてこともあったりして、失敗も多かったですね。
おかげで頭の中でイメージして、よく考えてから撮るくせがつきました。それは今の活動に役に立っています。
映画監督になりたいと思ったこともあったかな……
崎谷:そんなに前から動画に関心があったんですね。どのように印刷会社を引き継ぎ、今の活動につながったのですか?
水越:大学卒業後に父がやっていた印刷会社に3代目として入って、紙の仕事をしていたのですが、30歳になって「これからは紙の時代じゃないぞ」って知人に誘われて、勝手に会社を飛び出し動画の会社を立ち上げました。
そこで企業のPR動画を制作していたのですが、30年前は動画の需要があまりなかったんです。
その時はうまくいかず、2年ほどでその会社はダメになって社長に頭を下げて印刷会社に戻ってきました。
崎谷:時代を先取りしすぎていたんですね。
水越:印刷会社をやりながらも、時々動画の仕事も依頼されることがあって、パソコンで作っていました。
視聴者参加型のライブ配信
崎谷:今のような配信番組をやるようになったのはいつからですか?
水越:動画共有サービスのUstream(ユーストリーム)が出て、それに飛びつきました。パソコンがあればライブ配信ができ、テレビのように番組が作れるものです。
10年以上前にはじめてライブ配信をしました。その時に番組中にTwitterでコメントが来て、リアルタイムでコミュニケーションが楽しめる経験をしました。それが現在、僕が配信している「メディカツ」のはじまりで、それから毎週配信を続けています。
最初はただの趣味だったので、こんなに続くとは思っていなかったですね。
崎谷:毎週配信するのは、簡単なことではないですよね。続ける秘訣はありますか?
水越:毎週ゲストを呼んでやっていたので、僕自身も話を聞くことが楽しいです。ゲストのファンの方が配信を観てくれ、僕のファンにもなってくれて、そうしてどんどん人脈も広がっていくのを実感しています。
その頃僕は、ブログやメルマガをやっていなかったけれど、ゲストの方々がご自身のブログなどで番組の宣伝してくれたから、いろいろな人に広まりました。
そうやって良い循環ができたことで、どんどん次につながっていったと思います。自分だけではここまで続けられなかったでしょう。ゲストと対談するスタイルにしたことが、長く続いている秘訣かもしれません。
いつの時代も泥臭いことが必要
崎谷:講座やセミナーもお忙しいと思いますが、ライブ配信を続けるのは大変ではないですか?
水越:講座やセミナーを広告で知って受講してくれた生徒さんでも、さらに話を聞くと「メディカツ」を見て私のことを知ってくれていた人がたくさんいます。ライブ配信が直接の受講動機にならなくても、僕のことを知ってくれているのはとても重要なことです。
知らない人がやっているセミナーよりも、人となりを知っている人がやっている方が受講しやすいですよね。認知してもらうのはすごく大事。知ってもらうことが安心の土台になるんです。
崎谷:確かにそうですね。地道な活動が他の活動に生きてくるんですね。
水越:そう思います。コツコツ配信を続けてきたことで、得るものは大きいです。
時代は変わっても、泥臭いことは必要だと思っています。ライブ配信もそうですが、ゲストの交渉も意外と泥臭いことをしています。
なんでも鑑定団の北原 照久さんに来ていただいたときは、講演会や出版パーティーにも足を運んで、何度もアプローチしました。
そのかいあって「メディカツ」に出演してくれました。北原さんとの出会いは僕のステージを引き上げてくれました。
北原さんとは番組後にバスツアーを企画して、たくさんの方に参加してもらったんです。大きなイベントを成功させることも、大事な成功体験でした。
崎谷:番組を通じていい関係が築けたんですね。
水越:人の気持ちを動かしたり、人を集めたりすることは、昔も今も泥臭いことの積み重ねだと実感しています。
動画教材は自分の分身
崎谷:現在どのくらいの講座をやっているんですか?
水越:動画教材としては13講座やっていて、そのうち4講座がメインで動いています。経験やノウハウが売れる時代です。門下生にも、おもしろい経験を生かした講座をやっている人がいます。
人は誰でも失敗したくないんですよね。だから、誰かの経験談はとても価値があるものなんです。
崎谷:確かにそうですよね。自分では当たり前と思っていることでも、知らない人には価値のあることかもしれませんね。
水越:崎谷さんのお仕事も、教えてほしいと思っている人はいますよ。編集のスキルって、学校や職場でも役に立つことですよね。あなたが経験してきたことは、誰かがお金を払ってでも知りたい経験なんですよ。
自分の経験を動画教材にすることで、動画が分身として働いてくれます。働く時間が減ったおかげで、新しい学びの時間がとれるわけです。
そうやってどんどん自分もレベルアップしながら、受講生にも喜んでもらえるので、とてもいい仕組みだと思っています。
息子の活躍と次の夢
崎谷:最近では息子さんの「Mozu」くんの活躍も素晴らしいですね。子育てで心がけていたことはありますか?
※水越さんの息子さんは「Mozu」の名で知られるコマ撮りアニメ、ジオラマ、トリックアートという3つの分野で活動するマルチアーティスト。(株式会社MOZU STUDIOS)
水越:絶対に叱らずに褒めるようにしていました。テストで点数が悪くても、できなかったところを責めるのではなく、できたことに注目して褒めましたね。
好きなことや得意なことを伸ばしてほしいと思っていました。
崎谷:今や世界が注目するアーティストですね。私も大ファンです。
水越:「メディカツ」の500回記念に息子に出てもらいました。いろいろなメディアに取り上げてもらって、ミニチュア作品はSNSでもバズっているし、テレビやCMの依頼も受けています。
コマ撮りアニメーションはアジア最大級の短編映画祭「Digicon6 Asia」で、最年少で最優秀賞を受賞しました。
崎谷:親子共演、私も視聴しました。今後も水越親子から目が離せないですね。
水越:僕の次の夢は、息子の子育てで得た経験を本にすることなんです。息子の活躍もうれしいし、息子のことを本にできたらいいなと思っています。
得意なことを生かして活躍できる人が、世の中に増えてくれたらうれしいです。
【水越浩幸さんprofile】
東京都小金井市在住。
動画活用の専門家。大正10年から続く印刷会社を3代目として継ぎ、ビデオ制作やWebサイト制作、コンサルタントなど新たな事業を導入。2010年よりライブ番組「メディカツ」(メディアコミュニケーション活用塾)の配信を開始。動画番組の配信はもうすぐで600回を迎える。オンラインセミナーなどで、売上に貢献する動画活用を伝授し、人気を集めている。
著書には『ビジネスで好印象を与えるメールの7つの決まりごと』(同文舘出版)、『これからの中小店は「動画」で販促・集客しよう!』同文舘出版がある。